ミノルタ・ハネウェル特許訴訟

この記事は

Kaigen Discord Advent Calendar 2018

19日目の記事です。

 

ニュージャージー州

ニューアーク連邦地裁陪審は7日、ミノルタが米制御機器メーカー、ハネウェルの自動焦点カメラに関する特許を侵害していたとして、ミノルタに9635万ドルの損害賠償支払いを命じる評価を下した。(朝日新聞1992.2.8)

 

これがミノルタ・ハネウェル特許訴訟だ!

ミノルタの自動焦点(オートフォーカス)技術が、ハネウェルの特許4件を侵害している」としてハネウェル社が起こしたもので、結果としてそのうち2件については故意ではないものの、ミノルタが特許侵害しているとされたものである。

当時ミノルタから発売されていた一眼レフのオートフォーカス(自動焦点)技術は世界で初めて実用化に成功し、その技術を用いられたα-7000は大ヒットを記録していた。このカメラの技術がハネウェルの自動焦点技術の特許を侵害しているとして発生した訴訟である。

 

patents.google.com

 

 上記がハネウェルのノーマン・L・ストーファーが取得していた特許で、「レンズを通ってカメラ内に入る光を左と右に分け、光センサーに2つの像を上下に結ばせる。像が並ぶとピントが合うように、レンズをモーターで動かしてピントを合わせる」といったものである。多分、英語わからない。

この技術は以前から知られており、日本では特許庁が新規性がないとして特許認定されなかったものである。その技術に加えてミノルタの技術は2角像が左右対称に並び、一定の幅になったときが合焦するというもので、焦点が合うまでの距離をマイコンで計算し、ズレの分だけレンズをモーター駆動で調整するというものである。ノーマンの取得していた特許だけではピントを合わせる方法を示しただけであり、加えて広く用いられていた技術であった。ミノルタが独自に持っていたマイコンを用いた技術がなければオートフォーカス一眼レフは実用化はできないために、ミノルタの自動焦点技術は特許を侵害していないと主張した。

 

結果としてミノルタは敗訴し、ハネウェルに1億2750万ドル(約165億円)の賠償金を支払った。

 

敗因として、当時のレーガン政権の政策が挙げられる。

80年台のレーガン政権では、知的財産権の保護に関する戦略が盛り上がり、自国の市場を守るために特許、著作権を広く解釈し、国際競争力を高めようとする動きがあった。特に製造業では顕著で、ハネウェルもこの流れの内であったと考えられる。

 

後にミノルタの田嶋社長は、訴えを起こされた際の事を語っており、米国の弁護士にも「特許侵害が認められる可能性は小さく、和解金が発生したとしても大きな額にはならない(500万ドル程度)」と言われていた。しかしハネウェルが最初に提示してきた金額は3000万ドルで、当時の他の特許訴訟と比較しても考えられないような額であったという。その後も和解を求めたが合意には至らず、結果として莫大な金額を支払う事となった。

 

ここからが本当に書きたかった技術的部分の検証しようと思ったけど眠いので寝ますおやすみ